About131

私の育った生まれ故郷では晴れていると連なる山脈がどこにいても見える。生まれてから地元を出るまでの間、変わらない風景としてそこにあった。ある日、電車から見える東京のビル群が、連なる山々に見えたことがあった。私は東京という街に暮らしながら、いつも生まれ育った故郷の風景を探している。自分は一体どこに居るのか分からなくなった。確かに此処にはいるが、此処にはいなかった。どこにいるのか、どこに行きたいのか、私はそれを知るために一番大切な場所で写真を撮り続けた。