不周山
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Publisher Description
中国の創生神話を題材にした、魯迅の歴史小説。
小説集『吶喊』の巻末に収録されたが、後に題を「補天」と改め、
魯迅の歴史小説集『故事新編』の巻頭に収録された。
中国の古代神話に登場する、天地を補修し人類を想像したとされる女神の「女禍」を主人公として書いた歴史小説。
女禍が泥をすくって揉むと、たちまち小さくて白いいものようなものが生まれ、オギア!と息づく。
歓喜を感じながらひたすら作って周りに置くが、次第に疲れてきた。藤の枝が泥の中に入ると、
そこから引き上げたときに出た泥のしぶきがたちまち、小さい生き物になった。(尚、神話によれば、
女禍が泥をこねて丁寧に作った人形が貴人であり、泥をはね上げた飛沫から産まれたのが凡庸な人間とされている)
あるとき天地の崩れる音で目を覚ますと、かつて自分が生み出した小さい者たちが苦しむ姿が見えた。
女神は、彼らを苦しめる天変地異を、自らを使い果たして修復する。
※『故事新編』の中に収録された八編の歴史小説は、社会風刺の側面もあり、
古典の中に新しい中国人像を作り上げたい意図もみられる。
魯 迅(ろじん1881年9月25日 – 1936年10月19日)
中国の小説家、翻訳家、思想家。本名は周 樹人(しゅう じゅじん)
浙江省紹興府の士大夫の家系に生まれ、中国で最も早く西洋の技法を用いて小説を書いた作家であり、
その作品は、中国だけでなく、東アジアでも広く愛読されている。
日本でも中学校用のすべての国語教科書に彼の作品が収録されている。
代表作に「阿Q正伝」「狂人日記」「故郷」「藤野先生」などがある。