映画『かぐや姫の物語』の革命(2)〜高畑勲はいかにして「作品を完成させたくない!」と叫んだか
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■「この映画は出来ないんじゃないか」 かぐや姫が、それまで丹精込めてきた庭をメチャクチャにしてしまう中盤のシー ンを見ていて、私は高畑勲が必ず陥るという、作品の制作途中で「この作品を作 る意味があるのか」とスタッフに噛みつく瞬間を想起した。 「いま、この作品を作る意義があるのか?」を常に問いかける……といえばいか にも真摯なクリエーターの姿勢にみえるが、そう噛みついている時の高畑にはど こか、作品を「完成させたくない」という思いすらあるのではないか? 音響制作デスクの古城環は、高畑のそうした態度を「土壇場で『そもそも論』に 戻る理不尽」と形容している。「大人の事情」は一切通じない人だと。 ジブリの若い社員が月曜から土曜まで日参し、毎日10~12時間話して、高畑がこの企画でやると言うまでにも数年がかかり、作業に入ってからも8年間。担当プロデューサーの西村は「この映画は出来ないんじゃないか」という局面に何度もぶつかったという。(本文より) 切通理作の「映画の友よ」はこちらから→http://yakan-hiko.com/risaku.html