真珠夫人(第1回)―川端康成も激賞した大正通俗小説の傑作
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『真珠夫人』は、大衆小説の大家、菊池寛が大正9年から新聞に連載し人気を博したもので、映画や連続ドラマで一大ブームを巻き起こしました。大正デモクラシー隆盛の時代とはいえ、きわどい表現もあり、その自由奔放な設定に驚かされます。全体のストーリーは、「男爵令嬢、唐澤瑠璃子は敵の罠にはめられた父を救う為、泣く泣く卑しい高利貸しの荘田勝平の妻となるが、同じ貴族で恋人の直也の為に処女を貫きながら生きていく女の愛憎劇」(ウィキペディア)というものですが、菊池寛の筆致は、初回の出だしから、読者を作品世界に惹き込みます。「奇禍」「返すべき時計」「美しき遅参者」「女王蜘蛛」を収録。