【朗読音声付】双子の星
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Publisher Description
☆プロのナレーターによる朗読音声付書籍☆
「天の川の西の岸にすぎなの胞子ほどの小さな二つの星が見えます。
あれはチュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの住んでいる小さな水精のお宮です」
そんな書き出しで始まるチュンセ童子とポウセ童子の心が優しくなる天上世界の物語。
◎『双子の星』第一部
ある日、西の野原の泉で、大烏(おおがらす)と蠍(さそり)の喧嘩に巻き込まれてしまうチュンセ童子とポウセ童子。
いじわるな自分を助けてくれる二人の童子の献身的な姿に心を打たれ、ついに蠍は……。
◎『双子の星』第二部
海のくじらと言われる彗星(ほうきぼし)に、だまされ海へと落ちてしまう二人の童子。
果たして星の世界に戻ることができるのでしょうか…?
『双子の星』は、宮沢賢治が22歳の頃に創作した最初期の作品です。
(『注文の多い料理店』収録の物語は、賢治25歳頃に執筆されています)
こんなお話をつくってみたと言って家族に読み聞かせたという話が残っています。
ちょうど賢治が法華経にふれはじめた時期にあたり、双子のお星さまの行動にその純粋なまでの気持ちが込められています。このチュンセとポウセは、チュンセ=賢治、ポウセ=妹・トシとして読むことができます。
この作品中に出てくる「星めぐりの歌」は宮沢賢治が作詞作曲した歌として知られ、『銀河鉄道の夜』でも子供達が口ずさむ歌として出てきます。
そして、この『双子の星』では「星めぐりの歌」に合わせて銀の笛を奏でるというのが、チュンセ童子とポウセ童子の毎晩のつとめでした。
優しく色鮮やかな賢治の童話の世界を本書の中に詰め込みました。
そっと耳を傾け、夜空に輝く小さな双子の星に思いを馳せてみてください。