性に目覚める頃―室生犀星自伝小説(1)
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Descripción editorial
詩人の室生犀星の自伝的小説三部作のひとつで、17歳の頃に詩の投稿をして認められる時期の物語。落第を繰り返す学校をやめて、養親の和尚さんとお寺で暮らしている。詩を雑誌に投稿したところ、これが掲載されて張り合いができる。近くに住む同好の友人ができ、交際が始まる。表という天才肌の少年は、若い女性たちの気を惹くのがうまく、詩も女性を生々しく感じさせるものが多い。室生は、表に刺激され、女性への関心や官能が心身に疼くようになっていく。
室生の心理だけでなく、金沢の街のしっとりした落着きや犀川の清冽な水、お寺や和尚の静謐な雰囲気を全編に滲ませている名作である。