「お焼きとおぶっことからかさ石」の里
=縄文人が暮らした村の歴史往還=
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信州小川村は松代藩の最奥の村でお焼きの里である。村の古文書には縄文人が暮らしていたという・・・
今から300年ほど前、小川郷瀬戸川村(現小川村)の役人が「小川郷昔記録」という文書を松代藩に提出した。その内容は、当時、村に残されていた伝承を書き上げたもので、そこには虫倉山の山腹に夷、今のアイヌ民族が永いこと棲んでいて戦国時代に亡ぼされたということや、地元の豪族大日方氏を襲った悲劇や苦悩、大久保彦左衛門の名をあげて説明をする謎の大久保一族のことなど古記録に隠された出来事を丹念に追い求め、村に残る縄文人の痕跡(からかさ石やお焼き)や小川村の三大氏族にまつわる謎を追い求めたものである。
【目次】
はじめに
一『小川郷昔記録』の概要
二小川村の古代
小川村の原風景
夷伝説と縄文の痕跡
小川村の三大氏族
小川村の神社と氏子たち
(一)武部八幡宮と松本氏
(二)武部八幡宮と夷
(三)沢之宮と砂鉄-伊藤氏が来た川の道-
(四)「酒人小川真人」と戸谷氏-酒つくりの神さま-
(五)白髭神と大山祇命-大陸から来た神々-
(六)小根山の神社
三小川村の中世
小川左衛門の活躍-三河武士団-
悲運の戦国武将-大日方氏の活躍-
大日方家臣団の解体と武川衆
四小川村の近世
百姓に愛された「大久保長安」
(一)瀬戸川皇大神社の謎
(二)大久保彦左衛門と大久保長安
=余滴=
異説「ほうとう」小川村起源論
あとがき
参考資料
【著者】
神谷真
1943年長野県小川村に生まれる。東京都及び宮内庁を経て神奈川県に勤務。環境衛生課長、産業政策課長、政策調整室長、土木部(現県土部)次長、県立図書館長を歴任し平成15年3月退職。以後、郷土史の研究に没頭、著書に小川村の伝承に着目した『空蝉の旅立ち』や鎌倉権五郎の末裔という伝説を持つ鎌倉家の歴史を追及した『信州鎌倉家の歩み』などを書き上げる。昭和41年法政大学卒業