



万里子のスケッチ
Mariko Sketch
Publisher Description
油絵との出会い。それは戦後物資のない貧しい時代の中、女学校(今の中学校)2年生の時、廊下に張り出された風景画が、南薫造画伯の目にとまった。「この子に油絵を描かせるように」。その言葉がきっかけで父が油絵の道具を買って下さった事に始まる。
一度高校一年生の時に油絵を描くのをやめてしまった。それから30年後再び油絵を始めた時、私の父母は大変喜んでくれた。母は私の作品を楽しみに観てくれた。私も母のために絵を描き続けた。
1982年5月母の死―。それから、東京の公募展に初出品で入選。元々母に喜んでもらうために描いてきた作品であったため、自分から色んな方に見て頂こうという気はさらさらなかった。私は有名になりたいとも絵を売ろうと思った事もない。
ただ、旅行が好きで行く先々で感動したワンシーンをスケッチにとどめ「万里子のつぶやき」として、その時心から湧き出た言葉を一緒に綴った。それを親しい友人にはポストカードとして渡している。
この度電子画集のお話を頂いた。私の作品を通してご覧頂いた方がどのような気持ちになるかは想像しがたい。ただ湧き出た感情をスケッチとポエムという表現で一つにしてみた。
ご覧頂いた方が「ほっと」していただければ、それだけで幸せである。
青江万里子