個人投資家のための「市況株」短期トレード
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Publisher Description
著者がファンドマネジャー時代に生み出し、当てまくった
対TOPIX業種指数チャートの動きに乗るだけの、
テクニカルの通用する業種での短期トレード
1)個人投資家は、機関投資家が苦手な分野で勝負する
企業のビジネスモデルや製品、サービスの競争優位性を評価し、経営者の資質を追求し、3年から5年の未来に利益成長を実現できる企業を割安な状態で発掘する。このように、長い時間をかけて、いろいろな観点から企業の業績予想をすることが株式投資では求められます。ですから、基本的には中長期投資が軸になり、機関投資家(厳密には、現場のアナリストやファンドマネジャー)による分析活動は、主にファンダメンタルズ分析となります。
ここで、問題です。個人投資家のレベルで、果たして、機関投資家と同じような分析ができるのでしょうか。結論から言うと、それは不可能です。個人投資家がどんなに頑張っても、機関投資家にはかないません。機関投資家と個人投資家の間には“情報格差”という大きな壁が存在するのです。
では、個人投資家はどうすべきなのでしょうか?
答えは簡単です。機関投資家が苦手な分野で勝負すればいいのです。機関投資家が得意とする業績予想のできない業種で、かつ、ファンダメンタルズ分析ではないやり方を採用すればよいのです。それこそが、市況株の短期でのテクニカルトレードなのです。
東証33業種のうち、13業種ほど(※)が「市況株」と定義づけられています。これらの業種に分類される企業は、外部要因(原油価格の変動など)によって業績が変わるため、ファンダメンタルズ分析の根幹をなす「業績予想」をしようと思っても難しいのです。
「機関投資家と個人投資家の間に情報格差がない」という点は大きなメリットと言えます。
※金融株(銀行、証券、保険、その他金融)と素材株(石油・石炭製品、繊維製品、パルプ・紙、ガラス・土石製品、鉄鋼、非鉄金属、金属製品)、資源株(鉱業、卸売)。なお、括弧内はセクター名
2)テクニカルの通用しやすい市況株
銘柄を選ぶときには、テクニカル分析を使うことになります。このテクニカル分析については「そんなもの幻想に過ぎない」と考えている人も多いことでしょう。 確かに、100%当たるテクニカル分析などは存在しませんし、そもそもファンダメンタルズ分析が主体となって銘柄では、“当たるも八卦、外れるも八卦”の世界に陥ってしまうことはあると思います。 しかし、市況株では、少し事情が違います。ファンダメンタルズの要素が入ってこないため、短期であるならば、テクニカル分析が通用しやすいのです。
3)TOPIXと対TOPIX業種指数チャートの動きに乗るだけ
具体的に、市況株のトレードはどのようにするのでしょうか?
実は、とても簡単です。まずは、TOPIXの方向を確認します(5日移動平均線が上方向か、下方向か)。仮に、TOPIXが上方向だとしたら目線は買いです。
次に、オリジナルの対TOPIX業種指数チャートを見ます。これは、TOPIXと比較して、その業種が強いか、弱いかを表示したものです。
ここで大事なのは、TOPIXが上方向(=買い狙い)ならば、対TOPIX業種指数チャートも上方向の業種を選ぶことです。一言でいえば、TOPIXと対TOPIX業種指数チャートが同じ方向を向いている業種を選べばいいのです。ここで選ばれた業種が「短期的に最も上昇する可能性が高い業種」ということになります。
4)銘柄は、ほぼ限定だから、絞り込みやすい
業種が決まったら、次は銘柄選びです。市況株トレードにおいては、実は、銘柄はほぼ固定されています。
例えば、証券セクターであれば、銘柄は(8604)野村ホールディングスと(8601)大和証券グループ本社だけです。
鉱業セクターであれば、(1605)国際石油開発帝石と(1662)石油資源開発だけです。 鉄鋼セクターであれば、(5401)新日鐵住金、(5411)ジェイエフイーホールディングス、(5406)神戸製鋼所、(5413)日新製鋼、(5423)東京製鐵、(5449)大阪製鐵、(5541)大平洋金属、(5480)日本冶金工業です。
セクターの中から時価総額の大きい順番にチャートをチェックし、上昇基調(抵抗線を超えていたり、まだ上昇余地があるなど)の銘柄を絞り込みます。
決済は、TOPIXと対TOPIX業種指数チャートのどちらかの方向が変わるまでです。
5)素直に動くからやりやすい
TOPIXと対TOPIX業種指数チャートが同じ方向を向いている銘柄は、短期前提ならば、その方向に素直に動きやすいという特徴があります。絶対ではないものの、確率的に見て、「エントリーした途端に大きく逆行してしまった」というような悩みが起こりにくいのです。
当てにいかずに、ただ、「動いた」という事実に乗るだけ。だから、結果として当たりやすくなります。それが市況株の短期トレードの醍醐味です。その有効性を、ぜひ試して、実感してみてください。