思ひ出す事など 思ひ出す事など

思ひ出す事な‪ど‬

Descripción editorial

「思ひ出す事など(おもいだすことなど)」

夏目漱石(なつめ そうせき、1867(慶応3)年〜1916(大正5)年)の書いたエッセイです。
1910(明治43)年、漱石43歳の夏、療養に訪れた修善寺で、胃潰瘍からの大出血で死にかけた体験が書かれます。
病気のことだけでなく、修善寺や家族、子供のことを始め、今時の若者論や人相占い、
さらに多元宇宙やゼノンのパラドクス、と幅広い話題が登場し、章末に俳句、漢詩が置かれます。

旧字旧仮名で総ルビ、縦書きの電子書籍にしました。

医療関係者にぜひおすすめ。
鮮血1L近い大出血で、医師から一旦は死亡とされた体験が、文豪の確かな文章で書かれる一方、文豪もただの病人であるとも感じられます。
カンフル16アンプル投与や、食塩を皿で溶いての点滴など、当時の医療が興味深いですし、
登場する看護婦とのやり取りなど、今も変わらない患者あるあるも読めます。

旧字旧仮名でない新字新仮名のものも、青空文庫で自由に読めます。

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醫師(いし)は職業(しよくげふ)である。看護婦(かんごふ)も職業(しよくげふ)である。禮(れい)も取(と)れば、報酬(はうしう)も受(う)ける。たゞで世話(せわ)をして居(ゐ)ない事(こと)は勿論(もちろん)である。彼等(かれら)を以(もつ)て、單(たん)に金錢(きんせん)を得(う)るが故(ゆゑ)に、其(その)義務(ぎむ)に忠實(ちゆうじつ)なるのみと解釋(かいしやく)すれば、まことに器械的(きかいてき)で、實(み)も葢(ふた)もない話(はなし)である。けれども彼等(かれら)の義務(ぎむ)の中(うち)に、半分(はんぶん)の好意(かうい)を溶(と)き込(こ)んで、それを病人(びやうにん)の眼(め)から透(す)かして見(み)たら、彼等(かれら)の所作(しよさ)がどれ程(ほど)尊(たつと)くなるか分(わか)らない。病人(びやうにん)は彼等(かれら)のもたらす一點(いつてん)の好意(かうい)によつて、急(きふ)に生(い)きて來(く)るからである。余(よ)は當時(たうじ)さう解釋(かいしやく)して獨(ひと)りで嬉(うれ)しかつた。さう解釋(かいしやく)された醫師(いし)や看護婦(かんごふ)も嬉(うれ)しからうと思(おも)ふ。
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*目次*
├思ひ出す事など
│├一
│├二
│├三
│├四
│├五
│├六
│├七
│├八
│├九
│├十
│├十一
│├十二
│├十三
│├十四
│├十五
│├十六
│├十七
│├十八
│├十九
│├二十
│├二十一
│├二十二
│├二十三
│├二十四
│├二十五
│├二十六
│├二十七
│├二十八
│├二十九
│├三十
│├三十一
│├三十二
│└三十三
└底本などに関する情報

GÉNERO
Ficción y literatura
PUBLICADO
2025
19 de octubre
IDIOMA
JA
Japonés
EXTENSIÓN
155
Páginas
EDITORIAL
犬井
VENDEDOR
Umemura Toshiaki
TAMAÑO
351.7
KB
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