こころ
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- ¥4,074
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Publisher Description
夏。鎌倉の浜辺で、書生の「私」は「先生」に出会った……「彼岸過迄」「行人」に続く漱石後期三部作の最後を飾る長編。上・中・下の三部構成で、明治後期から大正期にかけての典型的知識階級、もしくは、漱石いうところの高等遊民の精神の葛藤を描いていく。日本近代小説がただストーリーを描くだけでなく、奥深い心理描写へと踏みこんでいくための礎となった作品ともいえる。二部では「私」と家族との葛藤、三部では「先生」からの手紙文という形式を使い、小説という形式での人の生死に対する漱石の深い考察が示される。近代文学の金字塔ともいうべき作品で、この作品を避けて現代の文学を語ることはできない。 【朗読者について】 「夢十夜」で深みのある朗読世界を聴かせてくれた女優の岩崎さとこが、難しい長編作品に取りくみました。とにかく、集中力をとぎらせることなく、最後までじっくりと読みきった力には、驚くべきものがあります。 【アイ文庫について】 プロによる高品質な文芸朗読作品を制作しているアイ文庫。プロデューサーを務める小説家・音楽家の水城雄のもと、朗読を音声による芸術表現として捉え、演劇的な要素が特徴の朗読で魅せるアーティスト集団・NPO法人現代朗読協会とともに、意欲作の創造に取り組んでいます。(C)アイ文庫 「ことのは出版オーディオブック作品一覧はhttp://www.kotonoha.co.jpにて」
Customer Reviews
夏目漱石 「こころ」を聞いて
忙しい中、読むとすれば1か月かかるでしょう。散歩、電車の中で聴けることは嬉しいですね。朗読はうまいですね。
素晴らしい
物語の内容もさることながら。朗読者の岩崎さとこさんの表現力に関心します。
登場人物たちの演じ分けが素晴らしく、特に女性を演じる時の上品で澄んだ声はとても心地いい。
この小説をかなり研究なさってから朗読に望んだのでしょう。一字一句にまで感情や意味を感じさせます。
何度も聞き返しています。
ヘヴィー
日本文学史上最もへヴィーな小説。重い文学と言えば太宰治の人間失格を思い出しますが、あの作品は太宰という特殊な人間が生み出したある種のダークファンタジーでした。
一方この「こころ」は、平成に生きる現代人も共感出来る、あるいは胸に突き刺さり後ろめたい気持ちにさせる、恐ろしい小説です。
K「精神的に向上心の無いやつは馬鹿だ。」
先生の独白よりKの言葉グサグサ刺さってくる。