ごんぎつね
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- ¥255
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発行者による作品情報
村の茂平というおじいさんからきいたお話。
ひとりぼっちの小狐ごんは、村へ出てきてはいたずらばかりして村人を困らせていた。ある日ごんは兵十が捕った魚やうなぎを逃すといういたずらをするが、その後、兵十の母親の葬式を見て、うなぎは兵十が病気の母親のために用意していたものだと思って後悔する。
母を亡くした兵十に同情したごんは、うなぎを逃がしたつぐないのつもりで、いわしを盗んで兵十の家に投げ込むが、つぎの日に、いわしを盗んだと誤解された兵十が殴られたことを知って申し訳なく思う。それからごんは、自分でとったくりやまつたけを兵十の家に届けるようになった。不思議に思った兵十が知り合いの加助に話すと、加助は、それは神様のおかげだと兵十に告げる。
あくる日、ごんが家に入るのを見た兵十は、またいたずらに来たのだと思い、戸口を出ようとするごんを火縄銃で撃つ。兵十は、土間にくりが固めておいてあるのを見つけ、はじめて、くりやまつたけを持ってきていたのはごんだったことに気づいた。
「ごん、おまい(おまえ)だったのか。いつもくりをくれたのは。」
ごんは、ぐったりと目をつぶったままうなずき、兵十は火縄銃をとりおとした。