



つくもがみ貸します
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5.0 • 1件の評価
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- ¥2,852
発行者による作品情報
深川で古道具屋兼損料屋・出雲屋を営む、お紅と清次姉弟。損料屋というのは、鍋、釜、布団、着物、などなどさまざまな品をいくらかで客に貸し出す商いのこと。火事や水害の多いこの土地柄、いざ厄災に追われて逃げるとなれば家財は邪魔になる。ならばいっそ、日々に必要な道具を、買うより借りて済ませる者が多く、江戸では珍しくない商いだった。だが、この出雲屋の古道具の中には、生まれて百年を経て、「つくもがみ」という妖怪に化したものが多かった。なぜなら、お紅と清次は、彼らの姿や言葉が見えたり聞こえたりする、その評判を聞き込んで、集まってきてしまうのだ。よそへ貸し出されては、変な話を聞いて来て、噂話を繰り広げるつくもがみたち。気位も高く、いたずら好きでおせっかいな彼らは、今日もまた、出雲屋を引っ掻き回し始めた……!出雲屋姉弟とつくもがみたちが出会う騒動と事件の数々を描いた連作短編集。