キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々
-
- ¥3,259
発行者による作品情報
本タイトルには付属資料が用意されています。詳しくは「デジタルブックレットの探し方」ガイドをご参照ください。 https://support.apple.com/ja-jp/HT208929
ダ・ヴィンチ・恐山こと品田遊の1500字×1642日の思考の記録、書籍化‼‼‼‼ エッセイから小説まで、作家・品田遊の脳内を覗く超贅沢な一冊!
ダ・ヴィンチ・恐山こと作家・品田遊が、2018年から毎日欠かさず投稿を続ける日記「ウロマガ」(居酒屋のウーロン茶マガジン)。1642日分の投稿から厳選した記事を全文加筆修正、再構成して、エッセイからコラム、小説まで品田遊の鮮やかな表現をたっぷり味わえる超贅沢な一冊が出来上がりました! 1ページ目から読み進めるも良し、気になる見出しを読むも良し、たまたま開いたページを読むも良しの、読みどころがぎっしり詰まった328ページ。
品田遊の幻の名小説集、読者熱望の文庫化。『名称未設定ファイル』同時発売‼‼‼ 応募者全員に限定コンテンツプレゼント! 単行本&文庫同時発売記念キャンペーン 2022年11月発売の品田遊著『キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々』(単行本)と『名称未設定ファイル』(朝日文庫)2冊をご購入いただいた方全員にもれなく品田さん作成の限定コンテンツをプレゼントいたします。詳しくは書籍のオビをご確認ください。
―――
記憶
日記を毎日書くようになってから月日が経つのが明らかに早くなった。 というより、過去が近くなった、と言うべきか。できごとを細かく記録することによって、去年の出来事でも日記をたよりに「ああ、あったな」と具体的に思い出せるようになった。 3年前の日記と3ヶ月前の日記に質的な違いをあまり感じない。過去の「遠さ」は内容の曖昧さに由来するのか。 私は記憶を距離的にとらえているのかもしれない。みんなもそうだろうか。現在の記憶が近くに、過去の記憶が遠くに並んでいるようなイメージだ。完璧な記憶能力の持ち主にとって、5年前と3日前にどれほどの違いがあるのだろう? 内容の鮮明さに違いがないとすれば、そこには単に時間的な前後関係の違いしかない、といえるはずだ。そういう人たちにとっての過去の日々は、本棚に並ぶ背表紙のようなものなのだろうか。いや、整列している必要もなく、ただ個別の本が一冊ずつ散らばっていてもいいのだ。 (本文 「記憶」より)