セメント樽の中の手紙(小学館の名作文芸朗読)
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発行者による作品情報
【小学館の名作文芸朗読】
コンクリートミキサーにセメントを入れる作業をしていた松戸与三は、樽の中から小さな木箱を見つける。木箱を開けると、ボロに包んだ紙切れが出てくる。それはセメント袋を縫う女工の手紙で、二十六歳になったばかりの恋人が破砕器へ大きな石を入れる際に落ちて粉々になり、このセメントになったと記されていた。もし労働者だったら、この樽のセメントが何に使われたか返事をくださいと。