モモ モモ

モ‪モ‬

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    • ¥1,375

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発行者による作品情報

日本で最も広く読まれている児童文学としても知られる、
「時間」の意味を問うミヒャエル・エンデの不朽の名作『モモ』がオーディオブック化!

町はずれの円形劇場あとに住みついた、不思議な少女・モモ。
モモと共に暮らしていた町の人々に、突然、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります。

「それいけ!アンパンマン」のバタコさん役、『魔女の宅急便』のジジ役などの代表作をもつ声優・佐久間レイさんが朗読し、
海外でも活躍するピアニスト・佐田詠夢さんのオリジナル曲によりオーディオブック化。

この作品に子供の頃に出会った方、大人になってから新たに出会うすべての方に、
聴くたびに新しい、深い気づきをあたえる一冊です。

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【作品紹介】

1974年にドイツ児童文学賞を受賞し、世界各国で翻訳されている、ミヒャエル・エンデの不朽の名作。
日本においても40年以上愛読され、大人にも子供にも、最も広く読まれている児童文学の一つとなっています。

『はてしない物語』とならび、エンデの児童文学の中でも最も有名な作品である本作品は、
子供だけでなく、その「時間」の本質を問う哲学的な内容から、大人にも広く親しまれています。

だれもが子供のころに、一度は学校や図書館で目にしたことのある一冊を、改めてじっくり味わってみませんか?

【物語】

町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。
町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。
そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。

「時間」とは何かを問う、エンデの名作。

【出演】

朗読:佐久間レイ
音楽監修、作曲、演奏:佐田詠夢

ジャンル
名作
ナレーター
佐久間レイ
言語
JA
日本語
ページ数
13:00
時間
発売日
2017年
7月28日
発行者
岩波書店
サイズ
778.1
MB

カスタマーレビュー

moshikamoshika

ミヒャエル・エンデ「モモ」再読100分de名著を見る。昔この物語に感動したことを思い出す。

日記を紐解くと1995年鬱病になり会社を退職する時に出会っていた。

1995年10月6日午後3時30分:ミヒャエル・エンデ「モモ」を読み始める。空も雲ってきたし、洗濯物も乾いたようなので取り込む。今日は一日穏やかないい天気だった。明日へやの掃除をしよう。

10月9日午後9時:ミヒャエル・エンデ「モモ」はすごい童話だ。人間の「成功したい、ひとかどの人間になりたい、お金持ちになりたい」という心に見事なまでの警告を与えている。正にそうした事を願いながら会社を辞めた今、この本に巡り合えたのは運命としか言い様がないものを感じる。そして友人の大切さを教えてくれる。その有り難さを大切にしなければならないと感じる。もし今日「モモ」を読まずに、時間泥棒達のこうかつな手段と、彼に対持したモモの姿を知らなければ、僕はとんでもないうかつ者になっていたかも知れない。

10月10日午後9時30分:ミヒャエル・エンデ「モモ」(時間泥棒と盗まれた時間を人間に取り返してくれた女の子の不思議な物語)を読み終える。面白かった、沢山の啓示があった。この本を読んで心から良かったと思う。人間として生きる上での喜びとは何か、生きている証とは何か、また欲望に目がくらみやすい現代人の陥りやすいわなとは何か、友達をいかに大切にすべきか、などが宝石をちりばめたように書かれてあった。″パパラギ″に劣らない目から鱗が落ちる思いの本だった。こういう人間の本質を問う物語と、トフラ−の様に、現代の時代がどう動いているかを問う物語は、時として矛盾を提起するけれども、いずれも見失ってはならないものだと思う。そしてもう一つ、仕事は心をこめて誇りをもってすることだということ。そう、それはどんなに素晴らしい事だろう。このことをどのようにして人に伝えたらよいだろう。頭の中で言葉にしてみた、でもうまく伝えられそうもなかった。僕はもう一つのエンデの作品「はてしない物語」を読み始めた。

10月15日「モモ」を読んで思う。世の中いいことばかりでもない代わりに悪いことばかりでもないのだ。なすがまま、あるがままの自分を受け入れること、同じように他人を受け入れることが、生きていくためのコツだった。自分や、他人を愛する方法だった。それこそがここ数日なすがままに身を任せて実感したことだった。感情が水のように高いところから低いところへ流れていった。逆らわなければ余計な心配をする必要は一切なかった。そしてとても楽に人に接することができた。そこには偽りはなく、素直な自分と、素直な他人があった。それはこの先のことで心配することでもなく、すでに起こったことを悔やむことでもない、今を実感できることだった。

10月16日午前5時:ミヒャエル・エンデ「はてしない物語」を読み終える。あるがままの自分を愛することその大切さを語った物語だった。この数日の出来事こそ、僕にとってのはてしない物語の冒険だったような気がする。そして現実の世界へ戻ってきた。あるがままの自分を、人を愛せそうな気持ちを抱いて。

今でもこの時の気持ちを思い出すことができる。とても大切にしている思いだ。面白いことは、ここから更なる私の黒歴史が始まったという事実だ。今ようやく冷静に思い返すことができる。人生何が起きるかわからない。だからこそ面白い。