井田由美で聴く「嘘」ラジオ日本聴く図書室シリーズvol.081

ラジオ日本・聴く図書室第81弾は、渡辺温の「嘘」。ある雪降る晩、井深君の屋敷に5,6人の友が集まっている。「嘘吐き」の話の話しくらべをするためだ。それぞれ、自分の嘘で人を担いだ話や、しくじり話を語っていく。そこでいよいよ主人の井深君の話が始まる。一月のある日、一人銀座を散歩していた井深君はおかっぱ頭でオレンジ色のジャケットを着た若い女に出会う。頭の先から靴の先まで井深君をジロリと見上げ見下ろし、さっさと歩いていってしまう女。ひょんなことからその女と二人カフェに入ることになるのだが・・・。男の嘘に女の嘘、どこまでがホントで、どこからがウソなのか?作者の渡辺温は1902年、北海道生まれの日本の推理作家・幻想小説家。近代モダニズムを推進し、将来を期待されていたが、28歳で鉄道事故に遭い急逝している。洒落た渡辺温の世界を井田由美が朗読する。他に「兵士と女優」も収録。