井田由美で聴く「女客」 ラジオ日本聴く図書室シリーズvol.072
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ラジオ日本・聴く図書室第72弾は、泉鏡花の「女客」。謹さんは母親と二人暮らしの独身者。そこへ上京した親戚の女 お民が幼子を連れて逗留している。何気ない世間話から、謹さんの自分語りになっていく。暮らしが貧しく、濠から身投げまで考えた。しかしその時にお民のことを思い起こして生きていることができたのだ、お民さんは自分の大恩人なのだ、と。二人の気持ちは次第に高まっていくが・・・。作者・泉鏡花は幼いころ母を病で亡くし、その亡き母への憧憬は、美しく優しい永遠の女性を求める独特の女性観を形成し、折に触れて作品に登場する。「女客」は鏡花が不遇の時代に書かれた、虚構のないレアリズムある作品で、当時の生活もままならず、幾度も死を思った鏡花の「私小説」にも近い作品であるといわれている。井田由美のしっとりとした朗読で男女の機微を感じてほしい。