夢十夜 第八夜(日本近代文学名作選(51))
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発行者による作品情報
【日本近代文学名作選(51)】
夏目漱石(慶応3年 - 大正5年)による短編小説
「床屋の敷居を跨いだら、白い着物を着てかたまっていた三四人が、一度にいらっしゃいと云った。真中に立って見廻すと、四角な部屋である。窓が二方に開いて、残る二方に鏡が懸っている。鏡の数を勘定したら六つあった。自分はその一つの前へ来て腰をおろした。すると御尻がぶくりと云った。よほど坐り心地が好くできた椅子である。鏡には自分の顔が立派に映った。顔の後には窓が見えた。それから帳場格子が斜に見えた。格子の中には人がいなかった。窓の外を通る往来の人の腰から上がよく見えた。庄太郎が女を連れて通る。」ーー
朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
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