夢十夜
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3.7 • 30 Ratings
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Publisher Description
「こんな夢を見た。腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇の色は無論赤い。とうてい死にそうには見えない。しかし女は静かな声で、もう死にますと判然云った。……」[注]本朗読において、今日の表現基準に照らして不適切と思われる語句や表現がありますが、発表時の時代的背景と文学性を考え合わせ、底本どおりに読んでおります。ご了承ください。(C)アイ文庫
Customer Reviews
本書の内容についての感想です
最近まで文学というものにまったく触れたことがなく,活字媒体でこちらの作品(そもそも文学というカテゴリなのかどうかは分かりませんが)を読んだこともなく・・・
自分の心にスッと入り込んでくる作品でした。非常に共感をおぼえたり,片意地を張っていた部分にチクリときたり・・・
まだ一度しか聞いていないのですが,第8夜以外,まるで自分の心を見透かされるような情けなさとともに,安堵感もあり,しばらくの間は,子守歌になりそうです。
自分の感情次第で全く違う印象を受けるとも思われ,何度聞いても楽しめそうです。
オーディオブックとして朗読は聞き心地が良いのですが,途中入るBGMは,自分的には不要と感じました。
というところで★4つ付けさせていただきます。
すごい
こんな朗読は聴いたことがありません。
ひたひたと迫りくる言葉の音。
鮮やかな漱石の言葉と朗読者の音が紡ぎだす世界に酔いしれました。
是非聴いてください!
すばらしい朗読
有名俳優の朗読や、いわゆる朗読家の朗読をいろいろ聞いてきましたが、そのどれとも違う、これはいわば、演劇と朗読のいいとこどりだと思いました。かもしだされるムードが絶品で(とくに「夢十夜」は男性朗読が多いせいかもしれませんが)、僭越ながら?岩崎聡子さんとはどういう方かと調べさせてもらったところ、今村昌平監督のカンヌ受賞作「楢山伏考」や「女衒」、熊井啓監督作品などに出演されている映画女優さんだそうで、これは演技とアフレコの経験のゆえかと勘繰ったりしてみています。岩崎聡子作品、ほかにもぜひ聞かせていただきたいと期待しています。