大前研一ビジネスジャーナルNo.14: 企業の「稼ぐ力」をいかに高めるか
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発行者による作品情報
※この作品は原著を要約したものです。
古い体質の会社が、次々と経営難にぶち当たり、そして倒れている。長時間労働の常態化に対し、政府は「働き方改革」を叫び、企業は取り組みを始めている。勤め先の会社や経営している会社が、そうした状況の渦中にあるという方に特に読んでみていただきたいのが、このたびの『大前研一ビジネスジャーナルNo.14』である。
大前研一氏の経営者向けセミナーを編集した本書は、上に述べた現象の陰にある問題に切り込む。まず、ひとつは日本のホワイトカラー層の労働生産性の低さだ。人手不足の上に低生産性なら、長時間労働になってしまうのも企業として稼げないのも当たり前だ。本書では、どのようにすれば生産性を高め、高い付加価値をつけて商品やサービスを売り出せるかが、8つの論点を提示して具体的に論じられている。シャープを買収した鴻海精密工業(ホンハイ)や星野リゾートなど、新しい事例の数々も興味深い。
加えて、企業が稼ぐためには、新時代の消費者を見つけていくことも大きな課題のひとつである。5年後、10年後を見据えて発展していくためには、マーケットの移り変わりに敏感でなくてはならない。こちらのトピックについても、消費者の動きをうまくとらえて成功している企業の事例とともに、ポイントが見事に整理されている。
セミナーをもとにしているためもあってか、本書は、端々に大前氏のユーモアがにじみ、本格的な内容でありながらとっつきやすい。論理の展開も非常にわかりやすく、改めて大前氏の豊かな知性を感じさせられた。「ビジネスジャーナル」、おすすめである。(熊倉沙希子)