或る母の話(小学館の名作文芸朗読‪)‬

【小学館の名作文芸朗読】

幼い頃に父を亡くした智子は母親と二人暮らし。女学校の高等科を卒業すると商事会社に勤める。ある日、地下の食堂で昼食をしていると、父親に似た青年が向かいの席に座る。彼は浅原礼介という、自動車会社で将来を嘱望された技師。やがて智子は浅原と婚約したことを母親に報告し、引き合わせる。ところが、浅原がアメリカで死んだ自分の父のことを打ち明けると、母親の顔色が蒼ざめていた。