書道と茶道(小学館の名作文芸朗読‪)‬

【小学館の名作文芸朗読】

画家、陶芸家、書道家など、芸術家として活動した北大路魯山人による「書」論。茶道に携わる人の字は、まずそうに上手い。人間が出来ている者は、技巧を気にせず、自らの書を書く技量が備わっている。自分の姿を出すことを恥ずかしがらない。字は下手くそでも、その下手を下手として呑気に書くことは立派だ。ある形ばかりを書こうとすると、習字の上に一種の野心をあって、結果、俗書になる。