深川の唄(小学館の名作文芸朗読)
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【小学館の名作文芸朗読】
明治時代の東京。四ツ谷見付から築地両国行の電車が、停電によって突然止まる。車掌が「深川」行きの乗り換え切符をくれたため、もともと行き先を決めていなかった「自分」は深川で電車を降りることにした。「自分」は少し日本を離れていた時期がある。明治以前の深川は美しい自然の調和があり好きな場所であった。しかし、その深川にも近代化の波が押し寄せていた。突然現れた鉄の長い橋に驚かされ、跡方もなく消え失せた記憶を呼び起こそうと、きょろきょろしながら深川を歩く。