源氏物語 第十帖 賢木
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発行者による作品情報
多様な人物たちの織り成す複雑な心理描写を、分かりやすく情感豊かに読み上げました。またそれぞれの帖の冒頭では翻訳者の与謝野晶子が、その帖の内容を一首の歌にして見事に表現しています。源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。源氏物語 第十帖 賢木(さかき) -葵の上が亡くなり、源氏の次の正妻について世間が噂するなか、六条の御息所を娘の斎宮とともに伊勢へ下ることを決意した。紫の上と結婚した源氏も、辛い別れを惜しんでいた。それから程なくして、桐壺帝が崩御して藤壺は三条の宮へと移り、それによって権勢は政敵の右大臣側へと移っていった。藤壺は東宮の後見として源氏を頼りにしていたが、険悪な政情の中で事が発覚することを恐れ、東宮を守るために出家をした。悲嘆にくれる源氏は、今は尚侍として朱雀帝の寵愛を受けていた朧月夜が右大臣家へ里帰りしていることを知り、密かに逢瀬を重ねた。しかしある晩、その現場を右大臣に見つかってしまう。それを聞いた弘徽殿大后は激怒し、源氏追放の策を企てるのであった。