源氏物語 第十七帖 絵合
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発行者による作品情報
多様な人物たちの織り成す複雑な心理描写を、分かりやすく情感豊かに読み上げました。またそれぞれの帖の冒頭では翻訳者の与謝野晶子が、その帖の内容を一首の歌にして見事に表現しています。源氏物語は、紫式部によって書かれた全五十四帖から成る長編小説。期間にして74年、四代の天皇の御代に渡る壮大な物語であり、その文章の構成や美しさ、人物の心理描写の面などからも、日本の文学史上最古にして最高傑作とも言われています。源氏物語 第十七帖 絵合(えあわせ) -冷泉帝の後宮として源氏の後見のもと入内した梅壺女御(斎宮)。先に入内していた弘徽殿女御は冷泉帝に寵愛されていたが、絵画の得意な梅壺は徐々に帝の寵愛を受けていく。弘徽殿女御の父、権中納言(頭中将)はこれを知ると、 優れた絵画を収集し始め、帝の気を惹こうと躍起になる。宮中では絵画の批評が流行し、ついに帝の御前で「絵合」が開催されることとなる。弘徽殿女御と梅壺女御がそれぞれ持ち寄った絵画はどれも甲乙つけがたく、なかなか決着しないが、最後に梅壺方が持ち寄った絵画が人々の心を打ち、「絵合」は梅壺方の勝ちとなった。その絵は源氏が須磨で描いた絵日記の一部であった。須磨から見た海の眺め、寂しげな住まいに、身に染むような歌が添えており、大変素晴らしいものであった。