「白藤」「アンゴウ」―終戦の夏に読みたい小品選2 Wisの朗読シリーズ(64)
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発行者による作品情報
豊島与志雄の「白藤」は、戦地から戻ってきた草光保治の回想である。終戦から2年半たってやっと復員してきた保治の目には、東京は異邦のように映った。電車に載っていて、ふと藤の花が目に入った。そこから出征前の記憶が蘇ってきた。それは、白藤のある家に住んでいた細川美代子とのことだった・・・・
坂口安吾の「アンゴウ」は、安吾としては異色の作品で、推理小説仕立てになっている。終戦間もなく、復員してきた矢島は神田の古本屋で上代史の本をみつけ、思わず入手した。それは親友の神尾の蔵書だったが、そしてその蔵書には、女手によると思われる男女の密会を思わせるアンゴウらしき紙片が挟まっていたので、にわかに緊張した・・・。