知っておきたい日本の漢詩第十二回 安らぎを求めて 夏目漱石
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発行者による作品情報
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漢字一つ一つが持つ個性的な形と意味、それらの組み合わせからさまざまにひろがってゆく境地が幻想的でもあり、夢のようでもある「ファンタスティック」な漢詩。
時代背景や作者の境遇を交えた色彩豊かな漢詩の魅力に溢れる講義です
<第十二回>
安らぎを求めて――夏目漱石
夏目漱石(1867~1916)は、もちろん、森鷗外とともに日本の近代文学を確立した大家ですが、漢詩人としても独自の個性を発揮し、大きな足跡をしるしています。
彼は小学校時代から漢詩文や中国美術を好み、漢学塾の二松学舎(にしょうがくしゃ=今日の二松学舎大学の前身)に学びましたが、帝国大学(東京帝国大学の前身)では英文学を修め、卒業後は松山や熊本で教壇に立ちました。34歳の時イギリスに留学し、帰国後、教職の