福島原発事故10年検証委員会 民間事故調最終報告書
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発行者による作品情報
福島第一原発事故から10年
私たちは何を学び、何が変わったのか
そして、未来への提言
シンクタンクの「日本再建イニシアティブ」は、2011年3月11日に始まる東京電力福島第一原発事故が最悪の時期を脱した後、
民間の独自の立場から福島原発事故独立検証委員会(委員長:北澤宏一前科学技術振興機構理事長)─ 民間事故調─ を設置し、
事故の検証を行い、そこから教訓を引き出し、
2012年2月28日、それらを盛り込んだ調査・検証報告書を刊行しました。
2011年夏、民間事故調のワーキング・グループを立ち上げてから半年にわたる突貫作業でした。
8年後の2019年夏、私たちは「福島原発事故10年検証委員会」を立ち上げました。いわば第二次民間事故調です。
2021年3月11日の事故発生後10年のフクシマの真実に今一度正面から向かい合い、
私たちが民間事故調で提起した課題と教訓をおさらいし、
日本はそこからの教訓をどこまで学んだのか、実際のところ何をどのように活かしたのか、
また、十分に学べなかったことは何なのか、それは何故なのか、
要するに「私たちは何を学んだのか」を検証するためです。
民間事故調は一言でいえば、「備え(response, preparedness, preven- tion)」に焦点を当てて検証しました。
それに対して、今回の第二次民間事故調は「学び」に照準を合わせて検証するのを目的としています。
民間事故調の報告書は「最終章」(福島第一原発事故の教訓─ 復元力をめざして)においてフクシマの悲劇を「忘れてはならない」と結んでいます。
人間社会における悲劇的事件・事故・事象を常に検証し続け、
そこから学び続けることが、「忘れない」ことのもっとも真摯な実践であるはずです。
このたび再び、民間事故調を設立し、「10年後のフクシマ」を検証することにしたのはその実践の一環にほかなりません。
しかし、実際のところ、「忘れない」ことを実践し続けるのはなかなかに難しい営みであるということを痛感します。
福島原発事故を調査・検証した民間事故調は、報告書を作成し、
それを世に問うに当たって、「真実・独立・世界」をモットーに掲げました。
まず、調査・検証の前…