納豆合戦(日本近代文学名作選(18)) 納豆合戦(日本近代文学名作選(18))

納豆合戦(日本近代文学名作選(18)‪)‬

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発行者による作品情報

【日本近代文学名作選(18)】
菊池寛(明治21年 - 昭和23年)による児童文学『納豆合戦』

「皆さん、あなた方は、納豆売の声を、聞いたことがありますか。朝寝坊をしないで、早くから眼をさましておられると、朝の六時か七時頃、冬ならば、まだお日様が出ていない薄暗い時分から、「なっと、なっとう!」と、あわれっぽい節を付けて、売りに来る声を聞くでしょう。もっとも、納豆売は、田舎には余りいないようですから、田舎に住んでいる方は、まだお聞きになったことがないかも知れませんが、東京の町々では毎朝納豆売が、一人や二人は、きっとやって来ます。私は、どちらかといえば、寝坊ですが、それでも、時々朝まだ暗いうちに、床の中で、眼をさましていると、「なっと、なっとう!」と、いうあわれっぽい女の納豆売の声を、よく聞きます。私は、「なっと、なっとう!」という声を聞く度に、私がまだ小学校へ行っていた頃に、納豆売のお婆さんに、いたずらをしたことを思い出すのです。」ーー

初出 大正8年(1919)「赤い鳥」9月号

朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事

(C)2024 声の書店.

ジャンル
名作
ナレーター
長尾奈奈
言語
JA
日本語
ページ数
00:13
時間
発売日
2024年
8月22日
発行者
声の書店
サイズ
13.7
MB