英語ヒエラルキー グローバル人材教育を受けた学生はなぜ不安なのか
-
- ¥1,273
-
- ¥1,273
発行者による作品情報
「日本語が不安」
「英語にも自分にも自信がない」
言語習得の臨界期を過ぎた外国語教育
その現実と留意点
“英語で教育”を受けたい学生・親、必読!
【内 容】
急速なグローバル化に対応すべく、政府は高等教育でEMIプログラム
(母語が英語でない地域で英語で教科を教えるプログラム)の設置を進めている。
2021年度では四年制大学の41%が英語による授業を実施、
英語による授業のみで卒業できる学部は88にのぼる。
だがこのEMI教育を受け留学を経て卒業した学生の中に、
母語である日本語の不安を覚える人が現れている。
英語能力による明確なヒエラルキーの中で、
日本語だけでなく様々なことに自信を失っている。
またグローバル人材として就職した先では、
旧来の企業風土への違和感と幻滅も覚えている。
本書では卒業生への聞き取りを基に、
グローバル人材育成教育の内実を示し、EMIの実施に一石を投じる。
第Ⅱ部で指導教員が、言語習得の臨界期以降の外国語教育に付随する問題を解説。
複数言語話者の葛藤をコントロールする方法を考える。
【目 次】
まえがき
Ⅰ EMI教育と学生の不安 佐々木テレサ
第1章 いま、なぜ「日本語の不安」なのか?
(1)EMI実施学部で英語で学んで
(2)卒業生が抱えることばの不安
(3)グローバル人材育成の促進と、広がるEMI教育
(4)この本で伝えたいこと
第2章 グローバル人材教育とEMIの現状
(1)グローバル人材とは何か?
(2)日本でのEMIの現状
(3)ことばと不安
(4)これまでの研究
(5)本研究で明らかにすること
第3章 やっぱりみんな不安だった――経験者の語りから見る英語ヒエラルキー
(1)入学前――欧米文化への期待と英語による承認
(2)入学後――英語ヒエラルキーの世界での苦悩
(3)留学――言語の苦労と視野の変化
(4)大学生活の後半とEMI実施学部へのフィードバック――得たものと失ったもの
(5)卒業後から現在――自己評価と他己評価の違い
補論 帰国子女・みずきの経験と私の経験
(1)「憧れられる」側だって大変なんだ――帰国子女・みずきの場合
(2)私(筆者)の経験
…