蟹工船
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- ¥815
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発行者による作品情報
プロレタリア文学の名作として名高く、近年改めて注目を集める1作をオーディオブック化!
現代のワーキングプア問題にも通じる、労働者のリアルを描きだした名作。
文学作品として、そして重要な社会問題を扱った作品として世界的にも評価の高い本作品を、
じっくりとお楽しみください。
本作品は、戦前、オホーツク海のカムチャツカ半島沖海域で稼働していた「蟹工船」の
多くの労働者の過酷な状況を描いた、1929年発表の作品です。
この海域では、搭載した小型船でたらば蟹を漁獲して母船に運び、
ただちに母船で蟹を缶詰に加工するという方法が取られていました。
その母船の一隻である「博光丸」が本作の舞台です。
蟹工船は「工船」であって「航船」ではありません。
様々な法律の対象から外れているこの船の上では、
貧困のために出稼ぎに出てきた多くの労働者たちが、資本側の論理によって
非人道的に酷使されるという状況が起こっていました。
情け知らずの監督・浅川のもとで劣悪な環境で働かされる労働者たちは、
暴力・虐待・過労や病気で次々と倒れてゆきます。
当初は無自覚だった労働者たちも、
やがて権利意識に覚醒し、指導者のもとストライキ闘争を断行。
スト指導者たちは逮捕され、最初のストライキは失敗に終わるものの、
労働者たちはさらに作戦を練り直し、再度のストライキに踏み切ります。
特定の主人公ではなく、蟹工船で働く労働者たちを群像として描いた本作品からは、
過酷な労働環境に苦しみ、環境に抗おうとする人々のリアルな姿を読みとることができます。
映画や舞台にも多く取り上げられ、今もなお人々に深い問いを投げかける名作を、
ぜひオーディオブックでじっくりとお聴きください。