阿川弘之 「スパニエル幻想」「鱸とおこぜ」 - Wisの朗読シリーズ(7) -
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- ¥306
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発行者による作品情報
阿川佐和子の父親でもある、作家阿川弘之。海軍予備士官として、戦死した友や帝国海軍への鎮魂の思いを綴った『雲の墓標』『軍艦長門の生涯』『暗い波涛』など一連の海軍ものの小説で知られる。志賀直哉に師事。その滋味とユーモアに富む文章は読む人をすっと惹き込んでいく。『スパニエル幻想』のスパニエルは飼い犬”コッカースパニエル”のこと。そして、釣り客の獲物である”鱸(すずき)”と”おこぜ”。これら2作品では人間臭いセリフを語らせている。ジェラシーの象徴、雌犬トンと妻、藪医者おこぜや生臭坊主の水母(くらげ)に翻弄される思考派鱸(すずき)―迷問答に思わず笑みがこぼれる。(C) wis
カスタマーレビュー
とても笑えました♪
これは笑いました! 硬派の阿川弘之さんに、こんなユーモラスな作品があるとは、初めて知りました。
「鱸とおこぜ」の、くらげの生臭坊主の説教と念仏には、笑い転げました。 「ナンマンダブツ~~」という
念仏は、何度も聴きたくなるから不思議です。
「スパニエル幻想」は、女性の嫉妬がユーモラスですが、結末がどうなったのか気になります。ちょっと
怖いような・・・。家族は無事だったのでしょうか?
阿川弘之さんは、「暗い波濤」などの海軍の鎮魂物や、「国を思うて何が悪い」などの硬派のエッセイ
で知られていますが、このような柔らかく楽しい作品を書いているとは新鮮は発見でした。
・・・と思っていて、本屋に行ってふと見たら、「鱸とおこぜ」は、少年少女向けの文学選集に収録され
ているのですね♪
朗読者の牽引力に魅力
物語の素晴らしさを際立たせている、朗読者の牽引力に素晴らしさを感じました。
このナレーターが配信しているPodCastなど拝聴していますが、有料でも十分に価値有りです。
珍しい作品
阿川弘之氏の本はあまり知らないのですが、異色の作品で、新鮮さを感じました。
内容は、本著者を知らない人でも抵抗なく読める『聴ける』作品、内容です。
朗読の素晴らしさが作品にさらに彩りを与えていると思います。