クラインの壷
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- ¥850
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発行者による作品情報
現実も真実も崩れ去る最後で最恐の大傑作。200万円で、ゲームブックの原作を謎の企業「イプシロン・プロジェクト」に売却した上杉彰彦。その原作をもとにしたヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることに。美少女・梨紗と、ゲーマーとして仮想現実の世界に入り込む。岡嶋二人の最終作かつ超名作。そのIT環境の先見性だけでも、刊行年1989年という事実に驚愕するはず。映画『トータル・リコール』の前に描かれた、恐るべきヴァーチャルワールド!(講談社文庫)
APPLE BOOKSのレビュー
井上泉(現在は井上夢人名義で活動)と徳山諄一による作家コンビ、“岡嶋二人”名義としては最後の作品となったSFミステリー『クラインの壺』。シナリオ大賞に応募した主人公、上杉彰彦の作品「ブレイン・シンドローム」が、新世代の体感VRゲーム装置“KLEIN-2(クライン2)”のゲームシナリオとして採用されることとなった。完成とともに、もう1人のゲームモニター、高石梨紗と一緒にテストプレイを繰り返す日々だったが、ゲーム内での不穏なバグを不審に思い始める。そして、ある日突然梨紗が失踪した。タイトルの『クラインの壺』とは、メビウスの輪を4次元にしたもので、すなわち表も裏もなく、曲面の外側と内側の区別がつかない立体をいう。現実と仮想空間を行き来しているうちに、外と内の境界も出口もない「クラインの壺」の世界をさまようこととなる主人公の恐怖を描く。驚くべきことは、この作品が発表された1989年に、今では随分と普及したVR(バーチャルリアリティ)ゲームのさらに進化した技術をストーリーの題材としていること。もはや、21世紀の今となっては、SFではなく現実の世界で起こりうる気がしてならない物語だ。
カスタマーレビュー
一気に読める
SFが好きな人はなかなか楽しめる作品だと思う。
クラインの壺というバーチャルリアルに入り込むゲームを主人公がプレイしていく作品。仮想空間に入る描写が細かく書かれていて、作品の世界観に入り込みやすかった。
後半になって一気に話が展開して行ってページをめくる手を止められなかった。