モンテ=クリスト伯(1)
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- ¥880
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発行者による作品情報
モレル父子商会の帆船の若い船長候補エドモン・ダンテスは、同僚のダングラールと恋敵のフェルナンの陰謀により、美女メルセデスとの婚約披露宴の席で逮捕され、無実の罪でイフ城の牢獄へ……。ナポレオン没落後の激動の社会を背景に、燃える正義感と鉄の意志で貫かれた男の波瀾の人生を描いて、万人の血を沸かす、大デュマ、不朽の名作の完訳決定版。
APPLE BOOKSのレビュー
偽りの密告で投獄された若者、エドモンの壮大にして華麗なる復讐劇『モンテ=クリスト伯(1)』。日本では『巌窟王』というタイトルで知られている。フランスが誇る小説家で劇作家のアレクサンドル・デュマが、1844年から46年にかけて新聞小説として発表した作品で、どこを読んでも読者を引きつけるように用意されたクライマックスに、ページをめくる手が止まらない。いくつかある日本語完訳の中でも、気品がありながら情熱的で読みやすいと評価が高いのが、新庄嘉章が手掛けた本作。航海中に亡くなった船長に託された一通の手紙。19歳のエドモンは、それが国を揺るがす内容とは知らず、父と恋人のメルセデスが待つ故郷マルセイユに戻ってくる。船長に指名され、恋人とも結婚が決まるなど順風満帆だった人生は、手紙の存在に気付いた3人の男の策略によって握りつぶされる。無実の罪で島の牢獄に幽閉されたエドモン。裁判もなく突然投獄された悲しみと怒りの独白は、苦しさに胸を突かれる。ドロドロとした復讐劇で終わらず、無数の伏線が回収されていき、すがすがしさと感動が押し寄せる。全5巻。