堕落論
発行者による作品情報
日本の敗戦翌年に発表され、戦争に疲弊した日本人に明日へ踏み出す指標を示した坂口安吾の代表作。「戦争に負けたから堕ちるのではなく、人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ」。これまでの古い価値観をかなぐり捨て、新たな生を切り拓くには、一度徹底して堕ちることが必要であり、「堕落」こそが本来の人間の在り方で、人間の原点であると安吾は訴える。1946(昭和21)年に『新潮』に発表されるや、国土荒廃と価値観の崩壊に戸惑う日本人に衝撃を与えた。『日本文化史観』や『教祖の文学』と並ぶ安吾の代表的評論であり、時代を超えて賛否両論が飛び交う過激さは、戦後70年以上たった今もその瑞々しさは色褪せることなく読者に訴えかけてくる。
カスタマーレビュー
あすれじ
、
責任とは
柄谷行人さんの倫理21という本を読むと
理解が深まると思うのでおすすめです。
るーくすかいうぉーく
、
ようやく読めました
新たな戦争観を得た思い。
今の時代に読んでも確かに色褪せないキレがありました。
_>_>
、
鋭い。
戦時中と戦後の日本を鋭い目で見た坂口安吾に敬意を評す。ほんとうの人間性や政治、社会のあり方まであらゆることを『堕落せよ』と説く。堕落とは人間に還ることである。個人的には本書の中で美を愛でる坂口安吾、好きだ。