暗いところで待ち合わせ
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- ¥620
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発行者による作品情報
視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった――。書き下ろし小説。
APPLE BOOKSのレビュー
視覚障がいを持つ女と、闇を抱える男。2人の孤独な若者の魂の触れ合いを描いた長編ミステリー。初期の乙一に見る2つの作風に倣えば、グロテスクでホラー寄りの“黒乙一”に対する、切なさの達人と呼ばれた“白乙一”サイドの代表作といえるだろう。交通事故で視力を失い、最愛の父をも突然の病で亡くし、独りでひっそりと暮らすミチル。職場の人間関係になじめず、孤立するアキヒロ。同僚が駅のホームから転落死した事件で容疑者として追われたアキヒロは、ミチルの家のチャイムを鳴らし、忍び込んだ居間の隅に身を潜める。気配を消した男と暗闇で生きる女の奇妙な同居生活。だが、ふとしたことからミチルは見えないアキヒロの存在に気付いてしまう…。ミチルとアキヒロのカットバックで物語が進行し、同じ出来事を違う立場で語る構成が巧みで、2人の心理的距離が近づいていくサスペンスも申し分ない。犯人捜しのミステリーとしての技巧も光るが、何より、疎外感に悩んで心を閉ざし、息を潜めるように生きる不器用で繊細な2人が、一歩踏み出して誰かを認めるまでの過程を描いた物語として感動的。
カスタマーレビュー
erkohana
、
タイトル通りの内容です。
まず、読みやすい文章です。なかなか、見所にたどり着きませんが、中間あたりから急に面白さが加速して、次が気になりました。
読む価値は十分にある内容だと思いますが、エンディングが、私個人としては弱いなーとおもったので⭐️を一つ減らします。