黒い家
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- ¥730
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発行者による作品情報
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに……。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞受賞作。
APPLE BOOKSのレビュー
人間の奥底に秘められている狂気を鋭く描き出したホラー・推理小説を得意とする貴志祐介の代表作「黒い家」。何気ない日常が一変してしまう現実的な恐怖をリアリティーあふれる筆致で表現した本作。実在する町並みをより写実的につづり、物語の舞台となる生活空間を丁寧に描写することで、一連の出来事の恐ろしさが増幅される。保険金殺人を取り上げた作品であるが、実際に保険会社に勤めていたという経歴を持つ著者ならではの設定も、大きな説得力を持って訴えかけてくる。無言電話の嫌がらせなど、不気味な予兆を少しずつ積み上げながら危機感をあおっていく構成は、最後まで物語に緊張感を持続させ、より深く読者を作品に引き込んでいく。犯人に追い込まれ逃げ場を失っていく、息も詰まるような展開が恐ろしくも魅力的な極上のホラーエンターテインメント。
カスタマーレビュー
才能溢れる一冊
文章から滲み出る聡明さが際立つ。難しい言葉や、現代ではあまり慣れ親しんでいる表現ではないものもあり、読むことが億劫になりつつも、それを超えて読み進めようと感じさせる情報量とテンポの良さ、サイコパス(と、本作中では表現して欲しくないのかもしれないが、汎用的な意味でのサイコパス)との攻防シーンと、どれをとっても読み応えがあった。
参考とした文献の数は不明だが、下調べの豊富さには舌を巻くものがあり、(もしかすると本人が保険会社で働いていたのかもしれないが。)この本を書くことへの熱量が伝わってきた。
内容としても非常にまとまっており、最後まで面白かった。
スリリング
面白い。
黒い家
中々スリルが有り描写がすごく良かった。