あかね噺 1

APPLE BOOKSのレビュー

噺家（はなしか）を目指して奮闘する少女の姿を生き生きと描く落語マンガ。才能を持ちながら、なかなか芽が出ない落語家、阿良川志ん太は、理不尽な破門の憂き目に遭い、落語の道を断念。幼いころから志ん太の落語に魅せられてきた娘の朱音は、父の才能を証明するため、自らも父の師匠だった阿良川志ぐまに弟子入りを懇願する。親譲りの表現力で、早くも才能の片りんをのぞかせる朱音だが、果たしてこの世界でどこまでやれるのか…。古典芸能という渋い題材を扱いながら、強いキャラクターを小気味よく動かし、落語の魅力である音と動きの世界を躍動感たっぷりに伝える画面の力に、思わず引き込まれてしまうこと請け合いだ。