



あかね空
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4.1 • 43件の評価
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- ¥690
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発行者による作品情報
希望を胸に、身一つで京都から江戸へくだった豆腐職人の永吉。己の技量一筋に生きる永吉と、それを支えるおふみはやがて夫婦となった。固く大きい江戸の豆腐と、やわらかで小さい京風の豆腐。好みの違いに悩みながらも、二人で精を出し、周囲に助けられ、ついに表通りに店を構える。その一方、家族にはだんだん気持ちのすれ違いが大きくなっていた。商売を引き継いだ三人の子らまで、豆腐屋二代の機微を描いた、第126回直木賞受賞の傑作人情時代小説。
APPLE BOOKSのレビュー
第126回(2001年下半期)直木賞受賞作。2007年には映画化もされた、江戸の下町に生きる家族の、平和で波乱に満ちた日々を描いた傑作エンターテインメント。京から江戸に下った豆腐職人が、苦労の末に店を出し、妻を迎えて子をもうけ、次の代へとつないでいく。ごくありふれた男の人生の中に、職人としての成功物語、夫婦の愛情物語、子どもたちへの葛藤を抱える親子の物語が詰まっている。彼ら家族に振りかかるトラブルは、天変地異から、天下の沙汰など庶民には太刀打ちできないもの、妻の偏愛や、息子の非行などプライベートなものまでさまざまだが、時にぶつかり、葛藤しながら、それでも切れない家族の絆で乗り越えていく。さらに、家族を取り巻く下町の人々の人情にも心が温まる。江戸時代の、長屋という共同体でのつながりと人々の暮らしぶりが丁寧に描かれ、下町こそが彼らの世界すべてなのだと実感する。どんな家族でも、大なり小なり問題は抱えているもの。家族の関係性が薄まっているという現代にこそ読まれるべき人情時代小説。
カスタマーレビュー
JUNTK
、
^_^
面白い。