うまいダッツ
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- ¥1,800
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発行者による作品情報
とある高校の喫茶部。それぞれ好みのおやつを持ち寄る四人は、
不思議な噂を耳にする。
「うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい」
それはただの都市伝説か、それとも――!?
ゆる部活のメンバーがたどりついた「答え」とは。
「おやつ部」のメンバーが、世界の謎にゆるく挑む。
スナックをつまむ指先が光るのは、油のせいだけじゃない、かも。
おいしく楽しく、ときどき切ない5つの物語。
うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい――
学内で囁かれる噂の真相とは?(「うまいダッツ」)
おばあちゃんが失くしたブローチを探すことになったおやつ部の面々。
探し物の過程で見えてきたものとは。(「チロル・ア・リトル」)
お菓子当てクイズに参加することになった四人。
果たして、その勝敗はいかに。(「バカみたいにウケない」)
SNS上の友達と気まずくなってしまったメンバー。
会いたくない彼女と会いたい彼女、それぞれの理由とは。(「それは王朝の」)
学年が上がり、初めてできた後輩。
しかし彼らは全員、妙にまじめで――。(「百年の愛」)
APPLE BOOKSのレビュー
デパート地下の和菓子屋を舞台にした青春ミステリー『和菓子のアン』シリーズの坂本司による、ほのぼの日常系おやつミステリー。アラタは高校で「何もしたくない人」用の「喫茶部」、通称「おやつ部」に所属している。そこでは部活を言い訳にポテトチップスや駄菓子などのスナック菓子をもりもり食べるだけという活動を行っていた。メンバーはオカルトマニアのアラタをはじめ、鉄道オタクのコウ、声優オタクのタキタ、唯一オタク属性を持たない無趣味なセラという面々。ある日、うまい棒1本でなんでも予言をしてくれるというおっさんのうわさを聞いたアラタが、ショッピングモールでおやつ部のメンバーと共におっさんを捜す表題作の「うまいダッツ」を筆頭に、緩い謎解きと恋愛未満の甘酸っぱい青春物語が五つの連作短編集として収められている。キャベツ太郎、ばかうけ、ホワイトロリータなど定番のお菓子で盛り上がり、チロルチョコにささやかな気持ちを込めるメンバーの姿は、ただ一緒にお菓子を食べながらしゃべるだけで楽しかったあの頃を、ほほ笑ましく思い出させてくれる。