おじいさんのランプ 朗読付 おじいさんのランプ 朗読付

おじいさんのランプ 朗読‪付‬

発行者による作品情報

「おじいさんのランプ 朗読付」

新美南吉(にいみ なんきち、1913(大正2)年〜1943(昭和18)年)の書いた童話です。
倉から出てきたランプを見て、おじいさんがしてくれた話とは。

朗読音声付きブックです。
縦書きで、すべての漢字にふりがなを振りました。
朗読は、尾張地方ネイティブで、宅録です。

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呉服屋(ごふくや)では、番頭(ばんとう)さんが、椿(つばき)の花(はな)を大(おお)きく染(そ)め出(だ)した反物(たんもの)を、ランプの光(ひかり)の下(した)にひろげて客(きゃく)に見(み)せていた。穀屋(こくや)では、小僧(こぞう)さんがランプの下(した)で小豆(あずき)のわるいのを一粒(ひとつぶ)ずつ拾(ひろ)い出(だ)していた。また或(あ)る家(いえ)では女(おんな)の子(こ)が、ランプの光(ひかり)の下(した)に白(しろ)くひかる貝殻(かいがら)を散(ち)らしておはじきをしていた。また或(あ)る店(みせ)ではこまかい珠(たま)に糸(いと)を通(とお)して数珠(じゅず)をつくっていた。ランプの青(あお)やかな光(ひかり)のもとでは、人々(ひとびと)のこうした生活(せいかつ)も、物語(ものがたり)か幻燈(げんとう)の世界(せかい)でのように美(うつく)しくなつかしく見(み)えた。
巳之助(みのすけ)は今(いま)までなんども、「文明開化(ぶんめいかいか)で世(よ)の中(なか)がひらけた」ということをきいていたが、今(いま)はじめて文明開化(ぶんめいかいか)ということがわかったような気(き)がした。
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*目次*
├おじいさんのランプ
│├かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一君...
│├今から五十年ぐらいまえ、ちょうど日露戦争...
│├巳之助の新しいしょうばいは、はじめのうち...
│├巳之助はもう、男ざかりの大人であった。家...
│├菜の花ばたの、あたたかい月夜であった。ど...
│└「巳之助さんは今でもまだ本屋をしている。...
├付録 連続再生

└底本などに関する情報

ジャンル
子ども向け
発売日
2025年
10月6日
言語
JA
日本語
ページ数
27
ページ
発行者
犬井
販売元
Umemura Toshiaki
サイズ
62.9
MB
ごん狐 ごん狐
1936年
手袋を買いに 手袋を買いに
2013年
おじいさんのランプ おじいさんのランプ
2000年
新美南吉全集 新美南吉全集
2015年
牛をつないだ椿の木 牛をつないだ椿の木
1947年
童話における物語性の喪失 童話における物語性の喪失
2013年