おひとり様物語(01)
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- ¥770
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発行者による作品情報
おひとり様ライフ満喫中の書店員・久里子(くりこ)さん、初めての彼氏に振られてどうしていいかわからない女子大生・未和(みわ)ちゃん。恋人と同棲中ながら、生活時間帯がまったく合わない0L・悠希(ゆうき)さん……。恋物語の名手がオムニバスで贈る切なく温かいリアル女子ストーリー!
APPLE BOOKSのレビュー
前向きに生きる20〜30代の女性の日常を描く「おひとり様物語(01)」。パートナーの有無に関わらず、さまざまな形で独り身の生活を送る彼女たちのエピソードが一話完結で綴られる。同棲中であってもお互いの仕事の都合で、すれ違いの日々を送る会社員。遠距離恋愛の寂しさをおくびにも出さず、サークルや趣味のマラソンに没頭する女子大生。ともすれば、おひとり様と呼ばれてしまう女性の姿を、作者はやさしい眼差しで肯定的に描いていく。例えば休日前はチーズにワイン、本を手に優雅な独身生活を謳歌する書店員のエピソード。後輩の女性から孤独に思えると指摘され、この生活は本当に幸福なのか自問自答しながら、やがて一つの答えにたどりつく。幸せとは他人の価値観によるものではなく、それぞれが選んだ道の先にしかないことに読者も気づかされることだろう。作者は「ちはやぶるおくのほそみち」(「花いちもんめ」に収録)で1986年にデビューした谷川史子。自身をモデルにしたマンガ家のエピソードも本書に収録され、その創作風景にも触れることができる。柔らかなペン遣いも魅力の、読み手の心にそっと寄り添う癒しの作品集。