からだの中の外界 腸のふしぎ 最大の免疫器官にして第二のゲノム格納庫
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Publisher Description
進化をきわめた「おどろきの臓器」。実は「体外」だった! 年間1トンもの食べ物を消化・吸収し、たえず病原菌にもさらされる「内なる外」=腸。眼や口、呼吸器にまで目を光らせる最強の免疫器官であり、独自の遺伝子をもつ「腸内細菌」との共進化の場でもある。1億個ものニューロンを擁し、「第二の脳」とも呼ばれる驚異の「腸」能力とは? (ブルーバックス・2013年4月刊)
Customer Reviews
サモトラケのニャンコ
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新しい発見のある良書
トラやライオンなどの完全肉食動物の好物は草である、と世界に先駆けて報告したのは、日本の栄養学者川島四郎氏である。現に捕獲した草食動物の内臓-消化された草の詰まった『腸』を真っ先に食べる。
この本は、『腸』に絞った生理学の本である。
腸の発生からはじめ、消化・吸収系、神経系、免疫系、腸内細菌系、最後に感染症と健康維持についてまとめられている。
消化・吸収系はもちろん免疫系については、現段階で解明されている機序について、やや専門的なくらいに詳細に述べられており、新書にしては大変読み応えのある著書になっている。
私自身ヒト以外の動物について詳しくないため、「反芻胃の微生物は、飼料中に含まれる繊維質を分解し酢酸や酪酸などの有機酸はエネルギー源として吸収される。微生物は同時に、繊維質を食べて増殖した微生物は第四胃に送られ、良質で栄養価の高いタンパク質として消化されたのちに小腸で吸収される。
ウシは草を口に入れているとはいうものの、実際に食べているのは菌であり、したがって“菌食動物„であると主張する人もいる。」ということは、新しい発見であった。