この世界は不完全すぎる(1‪)‬

APPLE BOOKSのレビュー

ゲームの世界と現実が入り混じった設定で繰り広げられる、異色の冒険ファンタジー。ある日、ヒロインのニコラはまきを拾いに行った先でドラゴンと遭遇してしまう。そんな彼女の危機を救ってくれた王の探求者ハガ。彼との出会いから、村の外の世界に興味を持ったニコラは彼に弟子入りを志願するのだが…。ここから冒険が始まると思いきや、どんでん返しで物語は転がりだす。ファンタジーでありながら、 “バグ”、“デバッカー”、“イベント”とハガの口からゲーム開発用語が飛び出すコマで読者もこの世界の成り立ちに気づくだろう。これまでに『アイアンバディ』などテック系の作品を発表してきた左藤真通は、画力も含め、作品の面白さはお墨付き。今作も奇想天外な世界観と先の見えない展開に胸が高鳴る。