これまでの経済で無視されてきた数々のアイデアの話 イノベーションとジェンダー
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発行者による作品情報
「男性は重い鞄を手で持つべき」「女性の長距離移動は制限されるべき」というジェンダー観が、車輪付きスーツケースという単純な技術革新を阻害した-新たな視点の画期的イノベーション史!
APPLE BOOKSのレビュー
偏ったジェンダー観がいかに人間の進歩を妨げてきたのか、いくつもの事例を挙げながら検証したイノベーション史。この世にキャスター付きスーツケースが売り出されたのは、人類が車輪を発明して5,000年以上もたってからだった…という驚くべき事実から本書は始まり、それは人類が月に着陸した後だったというから、さらに驚かされる。なぜキャスター付きスーツケースの発明にそんなにも時間がかかったのか、そこには「男性は重いかばんを手で持つべき」という性別による無意識の思い込みがあったからだと著者は考察する。男性は女性より技術に強いというイメージはどこから来たのか。なぜ家事やケアは“女性的”な仕事とみなされ、コストが低く見積もられたのか。人類の起源からインフルエンサーの誕生まで、さまざまな事象を軽妙な語り口で解き明かし、固定観念にとらわれて制限してしまったアイデアはないだろうかと問いかける。仕事や日常的な行為から“女性的/男性的”というイメージを取り払うと、世の中の見え方は変わるはず。これまでのことを糾弾するのではなく、これからの可能性のために大きな気付きを読者にもたらす一冊。