さよならミニスカート 1

APPLE BOOKSのレビュー

少女マンガ誌「りぼん」に連載され、その読者層であるティーンのみならず、年齢や性別を超えた幅広い層から注目を集める牧野あおいの「さよならミニスカート」。主人公は、元人気アイドルだった過去を隠して高校生活を送る神山仁那。彼女はアイドル時代にファンから刃物で切りつけられ、心身ともに大きな傷を負い、学校では男子のように振る舞っていた。そんな仁那の秘密にクラスメイトの男子、堀内光だけが気づき、2人は少しずつ心を通わせていくが、仁那の身に再び危険が迫る。思春期の女子が困難に立ち向かい、成長を遂げるという少女マンガ王道の軸を持ちつつ、性差別やセクシュアルハラスメントなどシリアスなテーマに挑む異色作。現代社会で起きている問題を取り扱い、傷つき悩みながらも自分の人生を切り拓こうとする少女の内面を描くことで、さまざまな問題意識を喚起する。連載開始時に「りぼん」編集長が「この連載は、何があろうと、続けていきます」という熱い宣言文を発信したことも話題となった。