しあわせは食べて寝て待て 1

APPLE BOOKSのレビュー

おいしいごはんと等身大の幸せをかみしめる、ほのぼの薬膳マンガ。主人公は、週4日のパートで質素に暮らす38歳独身の麦巻さとこ。病気をきっかけにキャリアを諦め、収入に見合う住まいを探していた彼女が出会ったのは、日当たりのいい古い団地と、薬膳に詳しい大家さん親子だった。四季折々の食材、暮らしの工夫を知っていくうち、日々の食事が楽しくなり、疲弊していた心が上向いていくさとこ。“薬膳”というありそうでなかったテーマを軸にしながら、穏やかに紡がれる日常が心地よい作品だ。現実に向き合いながらも深刻になりすぎないキャラクターやストーリー、センスのいい画のバランスも絶妙。読みながら食べ方を考え、自分なりの幸せを探してみたくなる。