しゅうまつのやわらかな、 しゅうまつのやわらかな、

しゅうまつのやわらかな‪、‬

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Publisher Description

忘却と喪失。停滞と安寧。異端の言語感覚で綴られる、過ぎ去った日々の心象。

随筆。小説。詩。日記。変幻自在に境界を超える筆致が織りなす待望の随想集。





装画:つくみず

装丁:名久井直子





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小さなころの夢は石になることで、いま夢みるのも石になること。

もの言わず、もったりと、ただそこにあるだけのものでありたい。

水と風に磨かれて、つやつやしたからだにひかりを溜めていたい。

ときどき拾われて、飾られたり投げられたりするのも、悪くない。

むきだしのみじめさを武器にも鎧にもしないで、そこにありたい。

『石の日』より



……きっと、何者にもなれない。そんな言葉を聞いて、煮物にもなれない、と思った。

何者にもなれない、という十の音のつらなりは、その九つを煮物にもなれないが占める。

『煮物にもなれない』より



ことばはすべて、こころの翻訳だから、決して明かされない秘密を持っている。ちょうど湖の水を手にすくいとったとき、手の中の水はもう湖ではないように、そんなふうにしかことばをあつかうことはできないのだと、しずかにあきらめている。

『コンサバ』より



深淵をのぞくとき深淵もまたひとりぼっち。しーん。えーん。

『めそめそメソッド』より



神は細部に宿るのではなく、細部を見つめる視線に宿る。

それか、細部にすました耳に。こまやかさをこぼさないよう、ふるえる手つきの中に。

『ゴッホとズボン』より



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GENRE
Nonfiction
RELEASED
2024
December 19
LANGUAGE
JA
Japanese
LENGTH
104
Pages
PUBLISHER
KADOKAWA
SELLER
DWANGO Co., Ltd.
SIZE
13.7
MB