たけくらべ
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3.5 • 61件の評価
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発行者による作品情報
明治文学を代表する小説家、歌人である樋口一葉の長篇小説。1895(明治28)年から翌年まで『文学界』に連載された。『たけくらべ』の題名は伊勢物語23段の和歌にんでいる。全16章から成り、吉原遊廓に接する大音寺前を舞台に、千束神社の夏祭りから、大鳥神社の酉の市までの季節の推移の中で繰り広げられる、14歳の少女・美登利と僧侶の息子藤本信如のいわば初恋の物語である。一葉は1872(明治5)年に東京に生まれ、20歳で小説『闇桜』を発表。1896(明治29)年に24歳で亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作の他、詳細な日記も残している。本作の草稿は日本近代文学館に現存する。
APPLE BOOKSのレビュー
早逝の作家、樋口一葉の代表作。吉原遊郭の遊女を姉に持つ少女と、寺の跡取りである少年との淡い初恋を中心に、現在の東京上野近辺に住む庶民の暮らしぶりと、思春期を迎えようとする子どもたちの成長を情感豊かに描く。文語体で書かれているため、現代人には読みにくく感じられるが、テンポの良いリズミカルな名調子に慣れてくると、長屋のにぎやかさ、神社の夏祭りの活気、年の瀬の酉の市での冷たい空気など、江戸情緒あふれる光景が浮かび上がる。下駄の鼻緒を切らした少年と、結ぶための端切れを渡そうと頬を赤らめる少女の、互いに素直になれない描写は名場面。子どもたちの持つ無邪気さと平等性が、成長とともに失われていく姿が切ない。永遠だと思われていた一瞬が、遠い過去のものになっていく喪失感は、思春期に誰もが通る普遍性があり、江戸の町を舞台としていながらも、時代や場所を超えて共感を呼ぶ。
カスタマーレビュー
knob716
、
日本語を読み解く
変化が激しい母国語にあって、この時代でなければ味わえない多彩な情感に驚きます。
和歌や書簡集も追加してほしい。